家を売ろうと思ったとき、すぐに不動産会社へ連絡しなければならないわけではありません。
先に手元で確認できることが3つあります。住宅ローンの残高、引き渡したい時期、そして名義です。この3つが分かっているだけで、相談や査定のときに話が具体的になり、その後の進め方も決めやすくなります。
この記事では、その3つをどう確認するのか、そして確認が済むと何が変わるのかを整理します。
家を売る前に、手元で確認できる3つのこと
いずれも、書類を探したり通帳や郵便物を見返したりすれば分かるもので、専門家に頼まなくてもご自身で確認できます。
住宅ローンがどれくらい残っているか
返済中であれば、いま残高がいくらあるかを確認します。次のようなもので分かります。
- 金融機関から年に一度届く残高証明書
- 借入時に受け取った返済予定表(償還予定表)
- 金融機関のインターネットバンキングやアプリの残高照会
返済予定表には、今後どのように残高が減っていくかも書かれているため、引き渡しの時期を考えるときにも使えます。書類が見当たらない場合は、借入先の金融機関に問い合わせれば確認できます。
この段階では、残高がいくらかを把握できていれば十分です。売却代金との関係は、査定額が出てから一緒に確認していくことになります。
いつまでに引き渡したいか
「いつ売りたいか」よりも、「いつまでに引き渡したいか」で考えると整理しやすくなります。売買は買主が決まって成立するため、売主側の都合だけで日程が決まるものではありませんが、希望の時期があるかどうかで進め方は変わります。
たとえば、次のような事情があると時期の考え方が変わってきます。
- 住み替え先の入居予定がすでに決まっている
- 相続した家で、他の相続人との話し合いに区切りをつけたい時期がある
- 維持費や固定資産税の負担を考えて、なるべく早く手放したい
- 特に期限はなく、条件が合えば売りたい
どれくらいの期間で買主が決まるかは、物件の状態や立地、価格の設定によって大きく変わります。あらかじめ期間を見込んで動くのではなく、希望の時期をお伝えいただいたうえで、それに合う進め方を一緒に考えるほうが現実的です。
名義が誰になっているか
登記上の所有者が誰になっているかを確認します。固定資産税の納税通知書や、購入時に受け取った権利証(登記識別情報通知)で分かります。手元に書類がなければ、法務局で登記事項証明書を取得して調べる方法もあります。
確認しておきたいのは次の点です。
- 単独名義か、共有名義か
- 共有であれば、持分がどうなっているか
- 亡くなった方の名義のままになっていないか
不動産を売るには、登記上の所有者が売主になる必要があります。相続した家で名義が親のままの場合や、共有名義で他に名義人がいる場合は、名義の状況によって、売却の前に確認しておくことが変わります。
なお、名義の変更や相続登記そのものは、司法書士などの専門家が行う手続きです。当社では状況をお聞きしたうえで、必要に応じて専門家をご紹介しています。相続した家をどうするか自体を迷っている段階であれば、相続した家をどうするかもあわせてご覧ください。
3つが分かると、進め方はこう変わります
3つを確認しておくと、相談の場で何を話せばよいかがはっきりします。
- 残高が分かっている:査定額が出た時点で、売却代金との関係をその場で確認できます
- 引き渡しの希望時期がある:その時期を前提にした進め方で話を組み立てられます
- 名義が確認できている:手続きが必要な場合に、売却の準備と並行して早めに動けます
逆に、この3つが分からないまま相談すると、「まず調べてからもう一度」となり、話が一度止まってしまいます。先に手元で確認しておくと、その分だけ早く先へ進めます。
なお、買主を探して売るのか、不動産会社に直接買い取ってもらうのかという売り方の選択は、この3つが分かってから考えるほうがスムーズです。どちらが向いているかの考え方は、売却と買取、どちらが向いているかの考え方で整理しています。

査定を依頼しても、売らなければいけないわけではありません
「査定を頼んだら、そのまま売る流れになってしまうのではないか」と心配される方がいらっしゃいます。
査定は、現時点でどのくらいの価格が考えられるかを確認するための材料です。査定を受けたからといって、売却を任せる契約をしなければならないわけではありません。売るかどうかは、金額と条件を見てから決めていただいて構いません。
あわせて知っておいていただきたいのは、査定額は現時点での見立てであり、実際にその金額で売れることを保証するものではないという点です。実際の売却価格は、買主が見つかったときの条件や、そのときの市場の状況によって変わります。
だからこそ査定額は、決まった価格ではなく判断の材料として受け取っていただくのがよいと考えています。査定の進め方は不動産査定についてをご覧ください。
査定のときに手元にあると話が早いもの
すべて揃っていなくてもご相談いただけます。ない場合は、あるものだけで構いません。手元にあると話が早くなるのは、次のようなものです。
- 登記の内容が分かるもの(権利証、登記事項証明書、固定資産税の納税通知書)
- 購入したときの資料(売買契約書、重要事項説明書、間取図やパンフレット)
- 住宅ローンの残高が分かるもの(残高証明書、返済予定表)
- 土地や建物の資料(測量図、建築確認の書類、増改築やリフォームの記録)
築年数の経った家では、書類が残っていないことも珍しくありません。手元にないものは後から取得できる場合もありますので、まずは今ある状態でご相談ください。
よくあるご質問
まだ売ると決めていませんが、相談してもいいですか?
はい。売ると決めていない段階でのご相談も多くいただいています。金額や進め方を確認したうえで、売らないという判断をされても構いません。
住宅ローンが残っていても相談できますか?
はい。返済中の状態でご相談いただけます。残高が分かるものをご用意いただければ、査定額が出た時点で、売却代金との関係を一緒に確認できます。
名義が親のままですが、相談できますか?
はい。名義の状況をお聞きしたうえで、先に何を確認しておく必要があるかをご案内します。名義の変更や相続登記そのものは司法書士などの専門家が行う手続きになりますので、必要に応じてご紹介します。
まとめ|先に手元で確認しておくと、迷いが減ります
家を売ろうと思ったとき、最初にすることは不動産会社へ連絡することではありません。住宅ローンの残高、引き渡したい時期、名義。この3つを手元で確認しておくと、その後の相談が具体的になり、同じ時間でも先まで話が進みます。
そして、査定を依頼しても売る義務は生じません。査定額も現時点の見立てであって、売却価格を保証するものではありません。まず材料をそろえ、そのうえで決めていただければ十分です。
3つのうち分からないものがあっても構いません。今ある情報だけでご相談いただけます。
関連記事
売却の流れや費用の内訳、当社の売り方については不動産売却の流れと費用をご覧ください。


コメント